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ダイヤモンドのカッティングセンター

ダイヤモンドは、原石の状態では単なる石のかけらです。カットによって命が吹き込まれ、ひかり輝くのです。
地球上で一番固い鉱物、ダイヤモンドをカットするために、長い年月をかけて多くの研究がされてきました。そして、1919年、数学者マルセル・トルコウィスキーによって、ダイヤモンドから最高の輝きを引き出す、理想的カットが考案されました。これがアイデアル・カットと呼ばれるものです。
現在、ニューヨーク、アントワープ、テルアビブ、ボンベイの4つのカッティング・センターで、
ほとんどのダイヤモンドがカットされています。その中でも、ニューヨークのカット技術が最高といわれています。

5大カッティングセンター

歴史的に、ダイヤモンド・カッティング業者は、ヨーロッパの都市に集中していました。
なぜならば、ダイヤモンドの購入者は、中世以来、ヨーロッパの王侯貴族に限られていたからです。
その後産業革命を経て、次第にブルジョアジーなど、一般市民の富裕層がダイヤモンドの購入層となり、今日では、欧米をはじめとした、全世界の一般消費者が、ダイヤモンドの購入者となっています。
ダイヤモンドのカット技術は、中世以来ヨーロッパで研究されてきました。
他の宝石に比べて硬度が高いため、ダイヤモンドのカットは非常に難しいものとされていました。
近代的カット技術が確立したのは、19世紀末から20世紀にはいってからです。硬いダイヤモンドを旋盤で加工したり、機械式のこぎりで鋸引きしたりすることが可能となってから飛躍的に向上しました。
現在、カット業者が多く集まっている都市は、ニューヨーク、アントワープ、テル・アビブ、ボンベイ、そしてヨハネスブルグの5ヶ所です。

5大カッティングセンター

ニューヨーク

ニューヨークは第二次世界大戦後、アメリカ経済が拡大するのに伴なって急成長しました。1カラット以上の大きなサイズで、高品質のダイヤモンドを得意とし、ニューヨーク五番街の高級宝飾店でも、地元でカットされたダイヤモンドがたくさん販売されています。

ニューヨークの品質が世界一を誇るのは、カット技術の優れた職人が多く集まっているからです。第二次世界大戦中戦禍を逃れ、ヨーロッパから多くのユダヤ人の職人たちが、アメリカに移住しました。戦後は、人件費の世界一高いニューヨークに、腕のいいユダヤ人のカット職人が、大量に移民しました。今日でも高品質ダイヤモンドを磨く、世界一高いカット技術を受け継いでいます。

アントワープ

伝統と格式を重んずるアントワープは、ダイヤモンド業界の中心的存在です。他の地域と比較して、高額のしかも大きなサイズを主力とし、しかもマーキース、オーバル、ハートなどファンシー・カットと呼ばれる、特殊なカットにも力をいれています。
その理由は、テルアビブのカット業者が急速に力をつけているためで、彼らとの競合を防ぐ狙いがあるのです。

テルアビブ

テルアビブは第二次世界大戦後、急速に成長した地域です。大戦中ヨーロッパから、パレスチナに避難したユダヤ人研磨業者が、テルアビブ近郊の家畜小屋に、工場を作ったのがはじまりです。

1948年に建国されたイスラエルでは、家内工業のような形で、細々と始められたダイヤモンド研磨業を、国策として育成することに力を注ぎました。欧米に比較して賃金が安く、勤勉な労働力に支えられ、1960年代には小粒ダイヤモンドの研磨では、世界の主要な地位を獲得するまでになりました。

ボンベイ

ボンベイのダイヤモンド産業が大きくなったのは、やはり第二次世界大戦後です。
欧米の研磨業者が低賃金なインドに目をつけ、欧米では工賃より安くて採算に合わない、メレーダイヤモンドと呼ばれる100分の25カラット未満の小粒の石や、低品質の石を、ボンベイと、その近郊のおびただしい数の、零細工場でカットしはじめたのが最初です。
現在では、このクラスのダイヤモンドではボンベイが独壇場なのです。

その他

それ以外に、ローマ、パリ、フランクフルト、リオデジャネイロ、香港、バンコックなど、小規模なカッティング・センターがあります。
アムステルダムは、19世紀末、ヨーロッパ一のカッティング・センターを誇っていましたが、第一次、第二次世界大戦を境にして衰退していきました。
ダイヤモンド職人たちの多くは、ベルギーのアントワープに移住し、現在ではわずかな人数しか残っていません。

それぞれの特色

カッティングセンターの特色、役割はそれぞれにあり、その1つが欠けてしまっても良いという訳ではありません。それぞれの地域の特色を生かし、1つ1つのダイヤモンドリングを作り上げること出来るのです。

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