指輪を購入したのに、修理は断られる事がかなり多い謎

あるあるだそうです
実はこれかなり多いみたいようですね。
というのはボクはネットショップを開いてもう15年以上経つんですが婚約指輪や結婚指輪を含め色々なジュエリーを購入してもらって最近ではメンテナンスの依頼も多くなりました。
そうした時に、以前他店で購入した指輪やネックレスの修理の依頼もかなりの確率であります。
- サイズ直しを断られた
- 石が外れたので修理を持っていったら断られた
- 購入したジュエリーのリフォームを依頼したら断られた
など、かなり断られているようです。
お客さんも不思議に思う事が多いそうです。で、引き下がってしまってその商品はタンスの中で眠ってしまうパターンですね。
なぜ購入したお店はジュエリーの修理を断るのか
うちは普通の小売店とは違うという事もあって職人さんとの付き合いがあったりしたので、上記のような場合も特に問題なく請け負うんですが、普通の路面店などは「製品」を売っているだけなので、修理を断る事が多いそうです。
事情はよく分かります。その理由は、
- 製品は儲かるけど修理は儲からない
- 修理で失敗したら困る
- お店がその商品を購入した仕入先が潰れてもう存在しない
一例を上げればこんな感じです。商品は数十万円しますが、修理はそんなにお金が取れない場合が多いのでお店としては面白くないんでしょうね。
それに請け負った手前、出来ませんでした。とは言いづらいですし。
最後の仕入れたお店がないってのはかなり多いです。
もうジュエリーの仕入れ先自体が減ってしまっていて潰れている所も多いんですよね。だから、修理したくても出来ないという事が多いと思われます。
それから、断られる理由は一般的に以下のような理由もあります。
修理技術の特殊性
指輪は様々なデザインや素材で作られています。
一部の指輪は複雑な構造や繊細な技術を持っており、修理には高度な技術や特殊な道具が必要です。
修理を行うためには、その指輪についての専門知識と経験が必要ですから、修理を断られる理由の一つは、修理店がその特定の指輪の修理に必要なスキルや設備を持っていない場合です。
職人さんというのは一匹狼タイプが多く、技術はその職人の企業秘密であるので、それを公開する事はありません。その商品を作る為の道具を作る事も多いので、それがなければ商品を作る事も修理をする事も出来ないという事が多々あります。
予期せぬリスクと責任
指輪は愛着のある物であり、お客さんにとってはとても重要なものです。
修理作業中に予期せぬ事故が起きた場合、指輪がさらに損傷する可能性があります。修理店はこのリスクを最小限に抑えるため、修理を断る場合があります。
また、修理後に指輪が正常に機能しなくなった場合、店舗は責任を負う可能性があります。そのため、修理が困難な場合やリスクが高い場合には、店舗側が断ることがあるんです。
といったリスクも多いです。特に石を外して修理をすると石が割れていたりする事も多く、その場合は保証問題に発展する事もあったりするので、修理を受ける方も悩ましい問題ではある事は確かです。
修理にかかる時間と費用
指輪の修理には時間と手間がかかる場合があります。
お店には、他の修理作業や依頼があるため、修理の優先順位を考える必要があります。また、指輪の修理にはそれに応じた素材や部品が必要であり、それらの入手に時間がかかる場合もあります。
さらに、修理には専門的な技術や手作業が必要な場合があり、それには時間と労力が必要です。
このような理由から、修理が複雑で時間がかかる場合や費用が高額になる場合には、店舗が修理を断ることがあります。
ただの修理なのにどうしてそんなに時間がかかるのかとお客さんが感じる事も当然です。しかしながら、納期の秘密というページを見てもらうと分かるのですが、商品を位置から作る事と同様の苦労があるという裏側もありますね。
修理の限界
指輪は長期間使用されることが多く、その間に傷や損傷が生じることがあります。しかし、修理を行っても完全に元の状態に戻すことはできない場合があります。
特に指輪の素材やデザインによっては、完全な修復が困難な場合があります。お店は修理の限界を理解しており、修理が効果的でないと判断した場合には、修理を断ることがあります。
正直な所、これを修理するなら新しく作り替えた方が安いのではないか?リフォームの方が良いのではないかと思う事も多いのですが、それを勧めると新しい商品を勧めるボッタクリ店だといわれる事も増えてしまいました。。。
品質保証と保証対象外の修理
一部の指輪には品質保証が付いている場合があります。この場合、修理を行うには特定の条件や要件を満たす必要があります。
修理店は品質保証の対象外である場合や保証期間が過ぎている場合には、修理を断ることがあります。また、他の修理店で修理を行った場合や指輪に改造や修正が加えられた場合も、一部の店舗では修理を断られることがあります。
以上の理由から、指輪の修理が断られることがあるのです。
修理が困難な場合やリスクが高い場合、修理に時間と費用がかかる場合、修理の限界がある場合、品質保証や保証対象外の場合など、様々な要素が関係しています。
うちの場合は有料になったとしても出来る限りの対応をしていますが、それでも最終的には骨格だけ残して作り直すという、リフォームや新規作成に近い事例も多くあります。
実はお店は製品で購入するから修理や加工の知識はない
実は昔からそうですが、お店は石と枠がセットされた「製品」で仕入れする事がほとんどなので、修理の仕方が分からないといった理由もあります。
今も昔も宝石屋さんは商品と石に対しての知識はもちろんあるんですが、商品が作られる過程などは知らない事がほとんどです。
ボクがそれなりに知っているのは、ボクが宝石職人の息子だから。という理由です。
宝石職人は商品を作る事はもちろん、修理や加工など得意不得意はあっても幅広く請け負っているので、その商品がどうやって作られたのか、その商品はなぜ壊れたのか。など知っている事が多いんです。だから、それを見ていたボクも当然詳しい。
これは当たり前に見えてなかなかないようで、ボクは簡単な修理やなと思って修理依頼を受ける事を驚かれる事が多いです。
実際そんな難しい修理や加工はほとんどありません。物理的、予算的に無理という事はあっても修理はほとんど可能なのです。
出来る限りジュエリーを蘇らせたい
うちは出来る限り他のお店で購入したジュエリーの依頼であっても、そのジュエリーを蘇らせたいと思っているし、元の状態から蘇る所を見たいので断らないようにしています。
世の中には信じられないくらい使い込んだというか、ボロボロの状態のジュエリーをどうしたら良いか分からずケースに入れたままのパターンが多いですよね。
でも、さっき書いたようにほとんどの場合修理は可能なんです。そういったジュエリーがキレイに蘇るという事がお金より重要な場合が多いんです。
先祖から受け継いだ物を新しく蘇らせたいとか、サイズ直しだけして自分が着けるなど色んなパターンがあると思いますけど、修理できるものであれば修理したい方も多いようです。
そういったジュエリーが蘇るのであれば値段じゃないですよね。もちろん新しく商品を買うより安上がりですし、何千円って訳じゃないですが結構安くてビックリされます。
またそういった古くなってしまったジュエリーがキレイに復活する過程を見るのがボク自体も好きなんですよね(^^)