リング幅を変えるだけでオーダーメイド料金になる理由を宝石屋が正直に話します
リング幅を変えるだけでオーダーメイド料金になる理由を宝石屋が正直に話します
先日、こんなお問い合わせをいただきました。
「このデザインが気に入っているのですが、リング幅を8ミリから6ミリに変えることはできますか?」
もちろん対応できます。ただしオーダーメイド料金が発生します、とお答えしたところ、こんな返答が来ました。
「え?全部手作りじゃないんですか?少し変えるだけなのに?」
この誤解、実はとても多いんです。今日はそこを正直に説明します。
「全部手作り」ではない、という話
ブリリアントジュエリーのサイトには、父が職人だったという話が出ています。それもあって「全部手作り」というイメージを持たれる方が多いようです。
正直に言うと、父も叔父も今は亡くなっています。現在は父の弟子や、ボクが宝石卸の仕事をしていた頃からのつながりで一緒に仕事をしている職人たちと製作しています。父から受け継いだ職人ネットワークで作り続けている、という形です。
そして指輪の製作は、全てが一から手作りというわけではありません。デザインごとに専用の金型を使った鋳造で製作しています。
ブリリアントジュエリーの指輪はどうやって作っているのか
鋳造というのは、金型に溶かした地金を流し込んで形を作る方法です。金型さえあれば、同じデザインを何度でも同じ品質で再現できます。これが既製品の強みです。
金型を作るには時間とコストがかかります。でも一度作ってしまえば、毎回ゼロから作る必要がなくなる。安定した品質を保ちながら、お客さんに適正な価格でお届けできるのはこの仕組みがあるからです。
ただし、この金型はそのデザイン専用です。8ミリ幅用の金型は、8ミリ幅の指輪にしか使えません。
リング幅を変えるとどうなるのか
「8ミリを6ミリにしたい」という場合、何が起きるのか。
8ミリ用の金型はそのまま使えません。6ミリ用の金型を新たに作るか、金型を使わずに一から手で製作するか、どちらかになります。アームの形を少し変えたい、爪のデザインを変えたい、という場合も同じです。どんなに「ちょっとした変更」に見えても、既存の金型が使えない以上、そのお客さん一人のためだけに作るワンオフの製作になります。
これがオーダーメイドです。
「手作りかどうか」の違いではないんです。「既存の金型が使えるかどうか」の違いです。
オーダーメイドはどんな内容でも相応の費用がかかります
もう一つ正直に言っておきます。オーダーメイドは、どんなに「ちょっとした変更」でも相応の費用がかかります。
世の中のオーダーメイド全般に言えることですが、一人のために一から作るというのはそれだけコストがかかります。服でも家具でも靴でも同じです。指輪も例外ではありません。
「少し変えるだけなのに高い」と感じる方もいらっしゃいます。その気持ちはわかります。ただそれは、既製品がいかに効率よく作られているかの裏返しでもあります。
既製品とオーダーメイド、それぞれの強み
既製品の強みは、品質が安定していてコストを抑えられることです。ボクが長年かけて設計してきたデザインを、そのままの形でお届けできます。
オーダーメイドの強みは、自由度の高さです。幅を変えるだけでなく、アームの形、爪のデザイン、石の大きさ、地金の種類。あらゆる要素を一から決められます。世界に一つだけの指輪になります。
「気に入ったデザインがある」なら既製品の方がコストを抑えられますし、「こうしたい」というイメージが明確にあるならオーダーメイドの方が満足度が高くなります。どちらが良いということではありません。
「少し変えるだけ」が、実は一番難しい
最後にもう一つ正直な話をします。
「少し変えるだけ」のオーダーメイドは、ゼロから作るより難しい場合があります。既存のデザインのバランスを保ちながら一部だけ変える、というのは職人として気を使う作業です。幅を変えれば全体のバランスが変わる。爪を変えればダイヤモンドの見え方が変わる。どこか一つを変えると、他の部分にも影響が出ます。
だからこそ、変更内容によっては「このデザインで変えるより、別のデザインを選んだ方が良い結果になる」とお伝えすることもあります。それがボクの正直な仕事の仕方です。
気になることがあれば、まずご相談ください。見積もりは無料です。