どうしてジュエリーが値上げされるのか?
指輪の値段ってなぜ上がる?
毎月、ダイヤモンド屋さんからチャート表が届くのですが、大きさに関わらず、正直そこまで大きな変動はありません。
それなのに、指輪の価格はじわじわ上がっている。業界の中にいると当たり前に感じてしまうことですが、外から見ると、これはなかなか不思議な話だと思います。
値上げの表向きの理由
価格が上がる理由として、よく言われるのは地金の高騰や円安、加工コストの上昇です。実際、大手ブランドの値上げ状況を見ても、ミキモトは今年だけで2回、ティファニーも年明けと6月の2回に分けて値上げをしています。理由として挙げられているのは、金・プラチナの高騰と円安、それに人件費の上昇です。
ただ、ボクの感覚では、本当に効いているのは家賃や人件費といった固定費の上昇の方だと思っています。
地金についても、金が上がっているのは事実ですが、プラチナは金ほど値上がりする理由が強くありません。それでも一緒に値上げされるのは、「金が上がるなら、プラチナもいずれ上がるだろう」という見込みのもと、上げやすいタイミングでまとめて上げておきたい、という考えもあるのだと思います。
でも、現場はほとんど変わっていません
ただ、それだけでは説明がつかない部分があってボクは元々、宝石卸業にいました。製作側、いわゆる下請けの立場がどうなっているかを、近くで見てきました。
正直に言うと、製作側の価格はほとんど変わっていません。地金や為替、固定費が上がった分が、そのまま製作側に反映されているかというと、そうではないケースの方が多いのが実情です。
上だけが儲かって、下がしわ寄せを受ける。これは業界ではよくある話です。
作業場を見たことがない人が、値段を決めている
なぜこんな構造になるのか。理由のひとつは、上の人たちが作業場を見たことがないからだと思っています。
百貨店の店員さんも、仕入れ担当の方も、実際に指輪がどう作られているかを見たことはほとんどありません。見たことがないから、そこにかかる技術や時間を、正しく評価できないのだと思います。
結果として「原価なんてこんなものだろう」という感覚で値段が決まっていく。これが積み重なって、今の価格構造ができているのだと思います。
ブリリアントジュエリーはこう考えています
ちなみに、ブリリアントジュエリーでは金製品は基本のラインナップに入れていません。ご希望があれば別注文・見積もりという形になります。メインはプラチナなので、今回話したような値上げの波は、正直あまり受けていません。ダイヤモンドの価格もそんなに変わってもいませんからね。
1人でやっている小さな店なので、正直利益をそこまで追いかけていません。それよりも、綺麗なものが欲しいという人に、ちゃんと届けたいという気持ちの方が大きいです。
正直に言うと、純粋に面白いからやっている、というのが一番大きいのかもしれません。
積み上げでどんどん高くなっていく業界の中としても、うちは今の所あまり関係のない話なのかも知れません。