宝石業界で仕事をしていて分かったウラ側とは?

宝石業界も高齢化が進んでいます。
宝石業界に入って20年以上経つと色々な事が分かってきます。簡単に挙げるだけでもこんな感じです。
- 実はみんなフラフラ
- 高齢化が進んでいて自転車操業
- やはり胡散臭い
まず、1つ目ですが宝石業界って儲かると思うでしょ?でも、それは全く違っていて今はバブルの時代と違って売れる物と売れない物がハッキリと分かれています。
実はジュエリーは意外と儲からない。
それに昔は売れた婚約指輪でさえ最近では売れなくなってきています。最新の記事を見ると結婚をする方の約20%は婚約指輪を購入しないそうです。
婚約指輪でさえこんな感じなので、他のジュエリーに関してはもっと酷くなっていると考えられます。
そんな感じで儲かりそうなジュエリー業界もあまり儲からなくなってきているのが現状なので、既にフラフラ状態なのです。
そうは言っても高齢者はバブル以前も以後も儲かったので良い宝石を持っています。国宝級やなと思うくらい良い物を持っています。
でも、今となれば価値は同じとしても誰もがそういった良い物を求める事はほんの一部の方でしかいませんし、もし欲しい人がいても今の価格だと赤字なので無理して売る必要もないというのが本音なのです。
宝石単体は良いけどデザインが現代的ではなかったり。。。
どこの業界でも進む高齢化
厳密には全ての業界という訳ではないと思うんですが、既存の業界だと高齢化はかなり進んでいます。
特にブランドジュエリーではない宝石屋さんなどは店員こそ若いものの、社長や重役の平均年齢は70歳を過ぎている所が多いです。
ボクの業界仲間でもかなり高齢で、後継者不足や後継者の育成に失敗している所も多々あります。息子さんが社長という所もありますが我の強い社長から同じような息子はそう産まれてきません。
そして、その結果、仲間内での商売でお互いに売り買いしながらお金を回しているだけの状態です。そうでもしないと食い扶持がなくなるからなのだと思っています。
仲間内でお金を回す状態になっていますし、結局経営を回すには高齢者である社長という事になってしまうのです。
胡散臭さは永遠の悩み
最後はやはり胡散臭さが取れない事ですよね。ボクもそうなんですけど、宝石屋と言うのは凄い儲かると思われています。凄い額の製作は単価の低い注文よりは利益が大きい事は確かなのですが。
それは単純に額だけであって利益率は同じなんです。高いからと言って大きな利益を取っている訳ではないんです。なんだか言い訳っぽくなってしまった(笑)
こう言った事を話せば話すほど胡散臭く感じてしまうけど、自分で話していても胡散臭い。
正直に言ってしまえば、単価の高い商品の依頼は嬉しいけど、その為のプレッシャーはとんでもない。知識と技術とそれに耐える精神力が必要なんです。納品まで胃が痛いですし。
時間もかかるし出来上がるまでは実物を見る事は出来ないのだから当然といえば当然です。
これを解決するには長い時間がかかりますし、誠心誠意尽くして仕事をするしかありませんよね。
ここまで読んでいても、まだ胡散臭いと思われるだろうなぁと笑ってしまいます(^^;)
でも、救いはあるんです。
でも、この仕事の救いは喜んでもらい感謝される事ですね。作っている最中はやめたいと思う事もあるし、プレッシャーに負けそうになる事もあります。
ただ、儲かった!と思うよりホッとするだけです。
本当にあ〜良かった・・・と思うだけです。
まぁ、この仕事を長い事していて、それがこの仕事なのだと思うようにしています。淡々と仕事をするしかなくてそれはどの仕事でも同じだと思うのです。
長々と書きましたけど、簡単なんですけど宝石業界の裏側のほんの一部です。